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【本屋大賞ノミネート】川のほとりに立つ者は【あらすじ感想ネタバレ有】

こんにちは。

お久しぶりの更新となってしまいました。

2月初の更新ですね。もう27日だけど!

最近は、いろんな友達と会うたびドラマ「ブラッシュアップライフ」の話をしています。

来世、アリクイになるのはキツいから私はサバがいいなぁ。

 

本日は、本屋大賞ノミネートの寺地はるな著『川のほとりに立つ者は』のブックレビューを書いていきたいと思います。

 

川のほとりに立つ者は あらすじ

カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。

双葉社

寺地はるな

1977年佐賀県生まれ。大阪府在住。

 

川のほとりに立つ者は 場人物

これ以降はネタバレを含みますので、見たくない方はポケモンのBGM集を見てください。

ポケモンのBGM

冒険が始まるね〜!

 

■清瀬

カフェの店長として働く女性。

部下の扱いに困っている。

 

■松木

清瀬の恋人だが、長期間会っていない。

ある日怪我をして意識不明になり入院することになる。

 

■樹

松木の幼馴染。

松木が怪我をした際に一緒に倒れていた。

 

■まお

樹の恋人。

 

川のほとりに立つ者は ポイント

 

■恋人の秘密と向き合う

恋人同士の清瀬と松木ですが、ある時二人は喧嘩して距離ができました。

それは、松木が清瀬に隠れて別の女性と手紙のやり取りをしているという疑惑から始まったことなのですが、頑なに松木は清瀬に理由を話しません。

そのせいで2人の間に距離ができていた中、松木が意識不明になってしまいます。

松木が巻き込まれた事件と彼が隠していた秘密に何か関係があるのではないかと清瀬は彼の秘密を探ることにします。

本人が話したくない秘密を探っても良いのか、また清瀬自身が松木に対して心からなんでも話していただろうかと自分と彼の付き合い方を見つめ直すきっかけになります。

 

■発達障害に対する眼差し

清瀬は、何度注意しても同じミスを繰り返したり、客に対しても融通が効かない部下に対して苛立ちを覚えます。

その部下は実はADHD(注意欠陥多動性障害)を抱えながら働いていました。

 

また、松木の幼馴染の樹は、文字を書いたり、文章を読むことができません。

そんな彼が文章を書けるように松木は協力します。

また松木は、恐らく樹は、LD(学習障害)ではないかと推測します。

彼らの障害を理解していくことが、この物語では重要な役割を担っていると思います。

 

■まおの不気味さ

この物語で重要なポジションとなる樹の恋人であるまお。

彼女はどこか掴みどころがありません。

また、樹と松木が揉み合ったとされる場面に居合わせていたことが判明します。

彼女の目的はいったい何なのかが徐々に明かされていきます。

 

川のほとりに立つ者は 感想

 

■発達障害の認知度ってそんなに低い?

この物語のポイントが「発達障害」にあると個人的には感じたのですが、近年は当事者が近くにいなくても発達障害への知識ってそこそこ広まっているように思います。

特に、仕事ができなくて周囲からADHDを疑われる人って色々な職場にいると思うんですよね。

清瀬は、カフェの店長で、かつ読書が趣味ということなので、発達障害の知識がある方が自然な人物像なのに、本人から告白されるまで気づかないのはちょっと違和感があるなぁと思いました。

発達障害だと気づかなくても、管理職だったら仕事のできない部下の扱い方をせめてググるとかしてこなかったのかな……。

あと、部下はADHDと申告していたけど、ADHDとASDを併発しているタイプかな〜と取れる行動をしていて、これは作者の意図なのか理解不足なのかなんなのか……みたいな気持ちにもなりました。

 

また、おそらくLDである樹についても、母子家庭で彼の母親が学習サポートに時間を取れなかったのは理解出来るのですが、あれだけ重度の症状を持った生徒がいたら小中時代にせめて一人くらいの教師は発達障害を疑うのでは?

あと、松木も文字の書き方を教えるなら自己流じゃなくて学習に有効な手立てを事前にググるとかしなよ……。

清瀬と松木は他人を理解しようとする姿勢を見せるキャラクターだったのでこういった点が余計に気になりました。

 

そして、この物語は樹のその特性をトリックのような扱いにしている点が私は好かなかったです。

 

■全員いい人じゃなくてもいいじゃん

文中に『川のほとりに立つ者は、水底に沈む石の数を知り得ない』という言葉が出てくるのですが、「見えていない部分は他人には理解し得ない」という本書のテーマが隠されています。

それに抗うように清瀬、松木、樹、樹の母、松木の部下たちはみんな他人を理解しようとするいい人なんですよね。

優しさや思いやりがある人物たちです。

加えて、初めは松木と疎遠だった彼の両親も結局は彼を心配するような仕草を見せたりもします。

しかし、全員が全員、できないことを必死にやって、他人を理解しようとする人物じゃなくても良いと思います。

 

まおは生育環境の悪さから、男性の元を転々として生活している女性であるということが判明したのですが、結局最後は改心して(?)コンビニで働いていたりします。

いや〜人間、人生の積み重ねって大きくないですか?

そんなにすぐ変われなくてもいいんじゃないですか?

 

■辛口でごめんね

私には合わない作品でした!ごめん!

すごく丁寧に書かれた作品だということは分かるのですが、偽善的だという印象が残ってしまいました。

他人を理解出来ると思っていること自体が傲慢だし、みんなが同じ速度で生きているわけではないというのは大人になるにつれて、段々と分かることだと思います。

主人公をはじめ、清廉に生きようとする人が他人の世界に土足で入っていくような感じがして私は好きじゃなかったです!ごめんな!

 

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思ったんですが、私はもっとドロっとした作品を読んだ方が楽しめそうです。

おすすめがあったらぜひ教えてください!

では、また。

asukal

くまの○ーさんでいうところの○リストファー○ビンのポジション

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