年末にお歳暮が届いた。
夏に前職で一緒だったRさんとSさんに今住んでいるところの特産品を送ったので、Rさんからお返しのプレゼントが来たのだ。
ハーブティーとハーブソルト、そして桃のジャムが入っていた。
一瞬やばい葉っぱが送られてきたかと思いびっくりした。
いや、普通そんなことないのだけれど、Rさんではなくもう1人、一緒に働いていたSさんならもしかしたらもしかするかもと思ってしまったのだ。
私が前職場に入社して以来7年ほど、そのSさんとコンビを組んで仕事をしていた。
Sさんが営業担当で、私が営業事務であった。
元来、根暗な私、Sさんの異世界感に圧倒されてばかりであった。
とにかく、Sさんは本当に社交的で友達の友達はみーんな友達!みたいなタイプで、私は毎日Sさんのお友達の話を聞いていた。
ちなみに私は、友達の友達は、誰……?と思っている。
Sさんと友達がSnowで顔を交換した写真や、Sさんの友達の結婚式で流す余興の映像や、Sさんの友達がソロでウルトラソウルを歌っている動画を見せられるなど、本当になぜ私に?と思わざるを得ないものを見せてくる。
Sさんはキラキラした笑顔で、一点の曇りもなく、面白いと思って私に見せてくれているのだ。
知らん人のカラオケ動画、拷問ですよ。
その一方で、そのまっすぐな行動力と疑いのない主体性が正直羨ましくもあった。
誰がそんなもん見ておもろいねん!と本気で思っていたが、何度もSさんの友達の写真を見せられていたせいで、自分が入院した時、その病院で働いていたSさんの友達とすれ違った時はちょっと面白かった。
『あ、この人、彼女と別れたいのに別れられへん人や……』
会ったことも無いのに写真と日頃の話から、プロフィールまで完璧に憶えてしまっていた。
ところで、Sさんは独身貴族。
個人的に色々買っては会社の事務所着にして私に披露していた。
その商品の用途や優れている点などを丁寧に私に説明してくれた。
例えば、ドローンとか薪を掴む道具とか毛布とか。
本当に興味がなかった。
一番勘弁してくれよと思ったのがキャンプ用のテント。
事務所の中でテントを広げ始めたのだ。
一部屋がテントで埋まった。むしろ開き切っていない。
しかも、閉じ方が解らず「んー帰ってきたら考えるわ!」と言ってそのままテントを広げたまま営業に出かけていった。
帰ってきてからYouTubeで閉じ方を検索するも、うまく出来ず、結果私が「ここ捻るって書いてあるじゃ無いですか!」と言ってことなきを得た。
後は、人間サイズのバカデカいクマのぬいぐるみ。
大体、荷物を受け取るのは私の役目なので、そのクマのせいで無駄に体力を奪われた。
しかも、仲間内でプレゼントし合っているようで、バカデカクマが送られてきたのは一度や二度ではなく、本当にSさんは楽しそうで、私は本当にイライラした。
とまぁ、Sさんはとても純粋で陽気だった。
でも持ち前の社交性と口のうまさで仕事はすごくできる人だったし、地頭がめちゃくちゃ良いのでためになるアドバイスをもらったりと、たくさんたくさん助けてもらった。
あと普通にミスを許してくれるので助かった。
関係ないけど、SさんとRさんと私と私の夫で麻雀(アプリ)をしたり、早押しクイズ(アプリ)をしたりと一緒に遊んでもくれるし、帰省したらランチしましょ〜なんて言って、なんだかんだ私もSさんを慕っている。
なぜか夫も何かあるとSさんに聞いてみたら?と言う。
もし、Mー1に出るような機会があれば、 Sさんと出場したい。
多分快諾してくれると思う。