こんにちは。

実は、バスボールの研究(製造番号から中身を予想)を未だにやっているんですが、大体正体が掴めて来たぞというところで、在庫がなくなってしまい困ってます。

私が一番良く行く薬局では、バスボールコーナーがめっちゃ充実し始めました。

僕がたくさーん!買って、あげてるからカナ!?ナンチャッテ(^.^)とパパ活おじさんの人格が顔を出し始めました。

バスボールに興味がおありの方は↓こちら↓の記事もご覧くださいね!

さて、本日は、辻村深月著『水底フェスタ』のブックレビューを書いて行きたいと思います。

 

水底フェスタ あらすじ

主人公は、ある県の山岳地帯にある睦ッ代(むつしろ)村の村長の息子で、高校二年生の湧谷広海(わきや・ひろみ/著者の作品には女性を主人公とする青春小説が多いけれども、本書は男性主人公である点が珍しい)。彼はある夏の夜、村おこしの祭典であるムツシロ・ロック・フェスティバル、通称ムツシロックの会場で、この村出身の芸能人、織場由貴美(おりば・ゆきみ)の姿を見かけた。彼女は広海より八歳年上で、出演した映画が海外の大きな映画賞にノミネートされたこともあって一時期はよくメディアに登場していたが、今では目にする回数が減っていた。この夜を境に、由貴美は睦ッ代村の実家に戻って住むようになったらしい――彼女の母親が死んでから、誰もいない廃屋のようになっていた家に。彼女は村が生んだ有名人ではあるものの、「田舎を嫌い、村を嫌い、ここの出身だっていうのに、村をPRすることはおろか、大人たちに挨拶もしに来ない、恩知らずな小娘」として、住人たちからはあまり好意的に見られていない。

フェスの夜から十日ほど経って、鬱蒼たる森に包まれた人造湖である水根湖のほとりで、広海は再び由貴美の姿を目撃した。何故か泣いていた彼女に声をかけた時、広海は彼女に強烈に惹かれている自分に気づく。やがて、彼女からの電話で呼び出された広海は、驚くべき相談を持ちかけられる。彼が村長の息子だというのは承知の上で、村を売る手伝いをしてくれないかというのだ。彼女は告げた、「私は、この村に復讐するために帰ってきたの」と――。

https://books.bunshun.jp/articles/-/1322

辻村深月さんの小説といえば、『鍵のない夢を見る』や『かがみの弧城』が有名でしょうか。

今回は辻村さんの書籍を目的に図書館へ借りに行ったのですが、近年の作品はほぼ貸出中で、作者の人気を実感しました。

こちらの本は2011年発行ですが、古さを感じずすらすら読むことができました。

 

水底フェスタ 登場人物

ここからはネタバレを含みますので、見たくない方は、違和感漢字でも見てください。

■湧谷広海

山岳地帯にある睦ッ代村に住む高校2年生の男子。

3世代同居の湧谷家の長男。

音楽をこよなく愛しており、学校の成績も良い。

東京から来た粗暴な不良少年、達哉とも密かに交友をもつ。

父親は村長だが、広海自身は村の古い文化に辟易しており、大学からは村の外に出たいと考えている。

 

■織場由貴美

広海より8歳年上で、睦ッ代村出身の女優。

親族は皆亡くなっているが、睦ッ代村でロックフェスが行われた夜から実家に帰ってきている。

中学卒業後に村を出て以来、モデルや女優として有名であったが、近頃は以前ほどメディアへの露出が多くなく、いわゆる落ち目になっている。

湖で出会った広海を自分の復讐に付き合わせようとする。

 

■須和光弘

広海の従兄弟で村の診療所で働く医師。

県外の大学に進学したが、睦ッ代に戻ってきた。

かつて由貴美と交際していた。

 

■日馬達哉

中学生で東京から睦ッ代に転校してきた広海の友人。

中学時代に、広海の幼馴染の手を彫刻刀で刺す事件を起こしており、村では広海以外に友達がいない。

睦ッ代の発展に大きく寄与している日馬開発の社長令息。

広海とは家を行き来する仲ではあるが、自分の評判を気にしてこっそり会っている。

 

 

水底フェスタ ポイント

■ムツシロック

睦ッ代村で行われるムツシロ・ロック・フェスティバルが村に大きな利益をもたらしています。

小さい村で閉鎖的環境であるにも関わらず、ロックフェスという先進的イベントの誘致を成功させて村を潤しています。

そのおかげで、睦ッ代村は他の市町村と合併せずに県内唯一の村として存続しています。

 

■水に沈んだ地区と村政

広海が住んでいる室平という地区は、かつての人工湖建設を機にその場所を手放した住民たちが移り住んだ土地です。

実際に水の底に沈んだのは、水根という地区で、広海の湧谷家の本家があったのはダムの堤が築かれた中根という地区でした。

当時、水根の住人たちには、保証として十分な土地や金銭が与えられず、反対中根の住人は水根の分まで保証金を受け取ったのでした。

その結果、移り住んだ室平の住民たちは、その資源を元に建設業や採石業で潤い、他の地区の住人よりも豊かになりました。

 

また、近年の村長や村議会の重要なポストには、全て室平にある4件の家から輩出されています。

それが御倉、佐東、須和、そして湧谷です。

実は、それは偶然ではなく、村民への献金によって不正に選挙が行われた結果であり、由貴美の言う復讐とは、その不正を暴くことでした。

 

■由貴美という人

先ほどの項で書いてしまいましたが、村を出て行った芸能人である由貴美がなぜ村に復讐を計画しているのか?という点ももちろん謎ですが、由貴美のとる行動には不可解な点がたくさんありました。

例えば、たまたま出会ったはずの未成年の広海と肉体関係を持ったり、復讐に付き合わせたり、何かと広海に執着しています。

そのわりに、ムツシロックでは元カレのステージを見ていたりもします。

彼女の思考や過去がだんだんと明かされて行きますが、広海は光弘からの警告もあり、彼女を本当に信用していいのか悩みます。

 

 

水底ロック 感想

■広海は子どもだよ

広海は高校2年生。

いろいろなことに抗おうとしても流されちゃうんだよなぁと読書中、節々に感じました。

芸能人が田舎に帰ってきて、自分とだけいい仲になっちゃうなんて裏があるに決まってるのですが、由貴美の手のひらで転がされていることには中々気づかなくて鈍感なんですよね。

どんなに魅力的な人であろうとも未成年に手を出す人間はまともではないじゃないですか。

いくら達観していようと、村社会を馬鹿にしていようとも視野の狭さは子どもで、それを利用する由貴美がとても嫌でした。

また、母親を敵視して、父親を盲信的に信用している様、そして、父親の化けの皮が剥がれるとすぐに嫌悪感が出てしまう様がまだまだ揺れ動く10代だなぁと思いました。

けれども、村社会のシステムを知るのがもっと大人になってからだったならば、広海も光弘のように受け入れる準備ができたのかなぁとも思います。

逆に、光弘も広海のような子どもだったのではないでしょうか。

 

■由貴美の狂気と村の狂気

由貴美は小さい頃から家族仲が悪かったせいで、ものすごく極端な考え方になってしまったのかなと思いました。

閉じた世界で、大人の嫌な面を見続けてきたからこそ、村を憎み執着が生まれたのではないでしょうか。

東京での上手くいかなさをどこか自分の出自や村のせいにしている印象があり、彼女が自分の手で幸せを掴めていたならば、村のことは嫌な思い出にできたかもしれません。

彼女の復讐が仮に上手くいったとしても、彼女が手に入れたかったものは手にできなかったのではないかと思います。

 

■閉鎖環境での感覚麻痺

広海母の場合、夫が不倫していたから人に対して疑念を持ってしまうようになったのだろうし、由貴美母の場合、逃げ場がない中で軸となるものがなかったのだろうし、広海父の場合、不倫自体が悪だとか村の慣習が悪だとかいう感覚自体がもうすでになかったのだろうと思います。

それら全てが村という閉鎖環境に原因があるように感じました。

特に、広海父は、当人の意思に関係なく結婚を勧めたりするところが、広海父自身もかつてはそういう風に扱われてきたからこそなのではないかと思いました。

広海父のカマの掛け方を見ていて、個人的には広海と由貴美が姉弟であることは事実かもしれないと思いました。

ただ、由貴美が子どもを産めない身体であることは知った上でなのでしょうか。

跡継ぎがいなくなれば、慣習は消えるかもしれないから?

これは、明確な言及がないので結局分かりませんね。

 

■村社会辛い、でも分かる

私の父の実家はかなり田舎にあって、祖父母ともに鬼籍に入っているので家は空き家なのですが、父は今でもその地区の寄合に参加しています。

祖父母が健在だった頃は、祖父母を置いて長男なのに同居していないことなどを近所の人に咎められたりもしていたし、祖父母の葬式では当然のように近所の人達が段取りしてくれていました。

しかも、何代も前に分家しているお家が普通に親戚として扱われるんですよね。

母も私もこの田舎特有ルールにものすごく無駄が多いと感じていたのですが、それが敷きたりなので、そうせざるを得ないのです。

確かに、この作品で語られるような曰く付きな慣例はないと思うのですが、“男女“の扱いだったり、“家“の扱いのようなところは想像に易いなと思いました。

これは私の想像でしかありませんが、辻村さんも山梨県出身ということで自身が感じてこられたことが含まれているのだろうと思います。

 

■環境の描き方が秀逸

辻村さんの小説を読むと思うのが、人物像の描き方というよりも人物を取り巻く環境の描き方が秀逸なのかなと思います。

以前、『琥珀の夏』を読んだ時にも思ったのですが、登場人物が特異な環境にいて、それをどう眺めているかという描写で人物像がよく浮き出てくるという印象を持ちました。

今回、『水底フェスタ』でも、広海の周辺、由貴美の周辺、達哉の周辺など、セリフよりもどのような環境にいて、どのような人に囲まれているのかという点からより人物像を理解しやすくなっていると思います。

どの項を取っても情景が想像しやすく、物語を読み進めていきやすいです。

スーッと情景が頭に入ってくるので、読んでいるのがとても楽しかったですし、後半に一気に畳み掛けてくるような構成が非常にいいなぁと思いました。

 


というわけで、『水底フェスタ』とても面白かったです。

次読む本は決まっていないので、ぜひどなたかおすすめを教えてください!

では、また。

 

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